特集 術後1週間の患者管理
Ⅱ.合併症を有する患者管理
低栄養
稲葉 毅
1
,
斎藤 英昭
2
,
林 明燦
3
1東京大学医学部附属病院材料部
2東京大学医学部附属病院中央手術部
3東京大学医学部附属病院第1外科
pp.338-339
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902084
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栄養状態の評価と手術適応
1.栄養状態評価のパラメーター
術前栄養状態の指標としては,血中アルブミン(Alb),コリンエステラーゼ(ChE),総コレステロール(T.Chol)などが一般的に使用されている.短期間の栄養投与の効果判定には,Albなどよりも血中半減期の短いプレアルブミン(PA),トランスフェリン(Tf),レチノール結合蛋白(RBP)などのrapid turnover proteinを用いたほうがより正確に評価できる.また,総リンパ球数(TLC),遅延型皮膚反応(PPD)などの免疫能も栄養状態を強く反映する.
血液データ以外では,体重・理想体重比(栄養指数,%IBW)あるいは体重・健常時体重比,上腕三頭筋部皮厚(TSR),経口摂取状態,体重減少の有無などが栄養状態の簡便かつ有用な指標である(表1).
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