Japanese
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特集 高齢者の外科—キュアとケア
高齢者肝胆膵癌に対する外科治療
Surgery for hepatobiliary-pancreatic carcinomas in the elderly
古井 純一郎
1
,
藤岡 ひかる
1
,
東 尚
1
,
田島 義証
1
,
冨岡 勉
1
,
兼松 隆之
1
Junichiro FURUI
1
1長崎大学医学部第2外科
キーワード:
高齢者
,
肝細胞癌
,
胆嚢癌
,
膵癌
Keyword:
高齢者
,
肝細胞癌
,
胆嚢癌
,
膵癌
pp.1007-1011
発行日 1995年8月20日
Published Date 1995/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901937
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高齢者の肝細胞癌,胆嚢癌および膵癌に対する手術の現状を,教室で経験した切除例を対象として検討した.手術は,肝細胞癌においては1区域以上の肝切除,胆嚢癌においては肝膵同時切除,膵癌においては膵全摘術や門脈合併切除を伴う膵頭十二指腸切除などの侵襲の高い手術術式が高齢者においても行われたが,高齢者群と非高齢者群との間で根治度,術後合併症発生率および手術直接死亡率に差はなく,術後の累積生存率も肝細胞癌と膵癌においては差はなかった.高齢者では,慎重な術前評価によって症例を選択し,適切な術前・術後管理のもとに積極的に根治性の高い手術を行えば,今後ますます増加すると考えられる高齢者の肝細胞癌,胆嚢癌および膵癌に対しても,治療成績の向上が期待できると考えられた.
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