Japanese
English
臨床報告
IIa様進行大腸癌の1切除例
A case of IIa-like advanced colon cancer
安原 清司
1
,
草野 佐
1
,
小沢 俊総
1
,
矢川 彰治
1
,
植竹 正紀
1
,
野方 尚
1
,
飯室 勇二
1
,
木暮 道夫
1
,
飯田 龍一
2
,
小俣 好作
3
Seiji YASUHARA
1
1社会保険山梨病院外科
2社会保険山梨病院内科
3社会保険山梨病院病理
キーワード:
微小進行大腸癌
,
de novo型
,
漿膜浸潤
Keyword:
微小進行大腸癌
,
de novo型
,
漿膜浸潤
pp.919-922
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901595
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はじめに
現在,Borrmann 2型大腸癌の発生については,腺腫を母地として癌腫が発生するというade-noma-carcinoma sequence説1)と,正常粘膜から腺腫を介することなく直接癌腫が発生するというde novo説2)とが考えられている.今回われわれは,粘膜面にIIa様の病変があり,その大きさが直径8mmと微小でありながら,すでに垂直浸潤が漿膜にまで達したde novo型進行大腸癌の1切除例を経験した.また,その浸潤形式は神経周囲および静脈沿いに漿膜下層まで浸潤した癌腫が漿膜下組織において増殖し,さらに周囲組織に浸潤するというものであった.本症例のように,粘膜面における大きさが1cm未満と微小でありながら漿膜にまで浸潤が達している症例は,われわれが検索しえた限りでは初めてであり,また,その浸潤形式も興味深いものであったので,若干の考察を加えて報告する.
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