外科研修医実践講座・7
小外科をめぐる工夫と研修
鈴木 篤
1
1みさと健和病院外科
pp.109-113
発行日 1994年1月20日
Published Date 1994/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901468
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外科初期研修は,まずmajor surgeryの術前・術後管理を中心に展開され,外科外来や小外科手技は,大学病院や基幹研修施設より関連の一般病院で経験を積むことが多い.今回のシリーズに私どもが加わった意味の1つに,一般病院の外科外来で多く扱う手技も,このシリーズに反映させる狙いがあったといえよう.
小外科手技は,数多くの経験をもつ指導医や基本手技書を通して研修医に伝えられ,その原則はほほ確立しており,基本的に大きな変化はない.しかし,これらの手技も,近年,様々な工夫がなされてきている.その背景には,①生活や労働の継続のなかでの治療,②美容的な要求,③より苦痛を伴わない治療法などの患者サイドの要望が反映している.一方で,①創傷治癒学の進歩,②形成外科的手法の進歩,③各種医療材料の開発なども,小外科領域に影響を与えている.様々な工夫の評価は,多数の症例での経過観察の検証を経て初めて一般的に評価されるが,最近の報告や自らの実践から,いくつかの工夫と研修医の心得について述べてみたい.
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