特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅰ.救急患者のプライマリ・ケアにおける薬物療法
14.嘔気・嘔吐
市倉 隆
1
,
玉熊 正悦
1
1防衛医科大学校第1外科
pp.38-39
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900930
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嘔気とは,いまにも嘔吐しそうだという不快感であり,虚脱感,蒼白,発汗,唾液分泌亢進などを伴うことが多い.嘔吐は延髄にある嘔吐中枢の刺激により引き起こされ,幽門輪の閉鎖,幽門前庭部の収縮,噴門部の弛緩,横隔膜・腹壁筋の収縮による腹圧および胃内圧の亢進,声門の閉鎖による胸腔内圧上昇と誤嚥防止といった一連の運動からなる1,2).
嘔吐中枢の興奮は,高位中枢からの刺激や交感神経,迷走神経などを介する末梢からの刺激により,また催吐物質により刺激された第4脳室底部に位置するchemoreceptor trigger zone(CTZ)を介してもたらされる1,2).
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