カラーグラフ Practice of Endoscopy
大腸内視鏡シリーズ・ⅩⅡ
感染性腸炎—炎症性腸疾患の内視鏡(切除範囲決定のため術中を含む)
杉山 貢
1
,
片村 宏
2
1横浜市立大学医学部救命救急センター
2横浜市立大学医学部第2外科
pp.975-978
発行日 1992年8月20日
Published Date 1992/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900856
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はじめに
感染性腸炎は一般臨床医が最も頻繁に遭遇する疾患であるが,日常ともすると軽視されがちで,十分な検索もなされぬまま安易な化学療法が行われていることも多い.発生頻度は戦後,化学療法剤の開発とともに減少したが,最近では本邦でも国際化時代を反映して輸入感染症の増加が報告1)されている.
通常は大事には至らないことが多いが,高齢者や肝硬変・糖尿病などの基礎疾患を有するいわゆる com-promized hostでは,出血,穿孔,敗血症を来し重篤な転帰をとる症例が存在し1),救急医療現場でも問題となっている.ここでは,感染性腸炎の現況と内視鏡所見を中心に概説する.
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