特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
下肢静脈瘤
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田辺 達三
1
1北海道大学医学部第2外科
pp.1677-1679
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900302
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下肢にみられる静脈瘤には種々の病因によるものがあるが,下肢静脈瘤といえば最も多くみられる表在静脈の弁機能障害によって生ずる原発性(一次性)静脈瘤をいう.本症は決して稀な疾患ではないが,欧米とは異なり一般の関心は低く,的確に治療法が選択されているとはいえない状況にある.すでに指摘されているごとく,本症の治療法として保存療法,硬化療法,手術療法があるが,特に根治的療法である静脈抜去術すら適切に施行できる施設が限られているのも現状であろう.本症は慢性疾患で長期間にわたって漸次増悪することから,保存的治療の意義も決して少なくない.
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