Japanese
English
特集 転移性肝癌の治療
肺癌肝転移の治療
Hepatic metastasis of lung cancer
川村 雅文
1
,
石原 恒夫
1
Masafumi KAWAMURA
1
,
Tsuneo ISHIHARA
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.687-691
発行日 1990年6月20日
Published Date 1990/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900111
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
原発性肺癌術後に肝硬変の所見のあった16例と,剖検で肝転移を認めた26例について検討した.臨床例16例の肝臓以外の再発臓器は,小細胞癌では脳転移が5例全例に,非小細胞癌では脳転移36%,副腎転移55%などであり,肝転移単独だったのは非小細胞癌の1例のみであった.剖検例でも副腎65%,骨62%,腎50%,膵35%など,肝転移と同時に他の諸臓器に転移が認められた.治療としては小細胞癌では全身的な化学療法が5例中3例に行われ,1例でPRが得られた.肝動注あるいは肝動脈塞栓術を施行したのは3例であり,全身的な化学療法と併用した小細胞癌の1例と,肝臓のみに転移を認めた非小細胞癌の1例で腫瘍が縮小したが,その効果は一時的なものであった.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.