FOCUS
医学生に対する外科勧誘のアプローチ
小松 昇平
1
,
岡田 健次
2
,
掛地 吉弘
3
,
國久 智成
4
,
尾藤 祐子
5
,
眞庭 謙昌
6
,
福本 巧
1
Shohei KOMATSU
1
1神戸大学大学院医学研究科外科学講座肝胆膵外科
2神戸大学大学院医学研究科外科学講座心臓血管外科
3神戸大学大学院医学研究科外科学講座食道胃腸外科
4神戸大学大学院医学研究科外科学講座乳腺内分泌外科
5神戸大学大学院医学研究科外科学講座小児外科
6神戸大学大学院医学研究科外科学講座呼吸器外科
pp.1272-1276
発行日 2023年10月20日
Published Date 2023/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214273
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はじめに
日本の外科医師数は劣悪な労働環境などから1998年以降減少し,2004年の新医師臨床研修制度がそれに拍車を掛けた.日本外科学会の勤務実態調査を契機に処遇改善の必要性が認識され,外科医の絶対数減少には歯止めがかかったが,増加する医師全体のなかでの割合は減少を続けている(図1)1).このような状況下で外科医療は2024年4月からの働き方改革完全実施を迎えることになるが,医療水準を低下させることなく外科医の勤務時間制限を遵守するためには,①新人外科医師の確保,②医療の効率化,③タスクシフトの強化,など可能な対策に全力で取り組む必要がある.新人外科医の確保が最優先事項であることに異論はないが,長期の減少傾向を食い止める特効薬は存在しない.何よりも医学生に「外科を好きになってもらう」ことがその第一歩と考えている.本稿では特に医学生に対する教育の観点から,神戸大学外科学講座の取り組みを報告する.
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