書評
—拡大内視鏡×病理対比診断研究会 アトラス作成委員会(編)—百症例式 胃の拡大内視鏡×病理対比アトラス
柳澤 昭夫
1,2
1京都第一赤十字病院病理診断科
2京都医大大学院人体病理学
pp.814
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213768
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胃癌の診断・治療の進歩は著しいものがある.拡大内視鏡の診断もその一つであるが,内視鏡診断において最も重要な点は,通常内視鏡観察による病変の認識である.病変の認識がない状態での拡大内視鏡観察や病理所見との対比は成り立たない.本書は,タイトル『胃の拡大内視鏡×病理対比アトラス』から推察されるように,内視鏡で観察された所見と病理組織像をより正確に1対1対応させることにより,内視鏡で観察される所見が,どのような組織形態により成り立っているか解説したものである.
正しい内視鏡診断は,観察されている内視鏡像がどのような病理組織像により成り立っているか理解することで得られることは言うまでもない.本書を読むことにより,内視鏡観察により認識された病変が,どのような病理組織像により成り立っているか理解することで,病変の認識・診断が容易になるとともに,より興味深いものとなることが期待できる.
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