増刊号 早わかり縫合・吻合のすべて
序
絹笠 祐介
1
1東京医科歯科大学大学院消化管外科学分野
pp.1
発行日 2020年10月22日
Published Date 2020/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213097
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「ちゃんと縫えればどうにかなる」というのが外科医の本音ではないでしょうか? もちろんちゃんと取り除く(切除する)ことが,患者の病気を治すうえではとても大事なことですが,せっかく上手に切除できても,その後始末(縫合・吻合)がうまくできなければ,その悪影響は術後すぐに現れ,手術結果を大きく左右します.専門領域の定型的・典型的な再建であればまだしも,ときには慣れていない部位や方法での縫合や吻合を余儀なくされることもあります.多くの外科医が腸管などの重要臓器の吻合後は,ちゃんとつながったか不安に思いながら術後管理を行っています.まさに縫合・吻合の技術は,外科の基本であり,術後の成績を左右するとても大事な技術です.
吻合法は日々進化し,その成績も向上しています.手技的な面だけではなく,最近ではさまざまな縫合糸や縫合・吻合デバイスがあり,これもまた,その選択には,豊富な経験と知識を要します.縫合するならどのような縫合糸を(なぜ)使うのか? 吻合の際には何に気をつけるべきなのか? 守るべき項目と,守らなければどのような不具合(合併症)が生じるかなど,領域外の外科医や若手外科医にも理解しやすいように,基本的な内容も含め,シェーマを多用し,ときには動画を用いて解説いただきました.
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