書評
—松井 修,角谷眞澄,他(編著)—肝の画像診断—画像の成り立ちと病理・病態 第2版
森 宣
1
1大分大学
pp.116
発行日 2020年1月20日
Published Date 2020/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212822
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待ちに待った,松井修先生が率いられる金沢大・松井グループの新著である.豪華で優秀な編著者・共同執筆者の面々を見るだけで期待が高まるが,ページをめくると数ある医学書の中でこれぞ「本物」という醍醐味(だいごみ)を味わえることは間違いない.簡潔な語り口と美しい画像に病理像と概念図が完備されているので,肝臓専門の研究者にも初心者にも扉が開かれる好著である.ただし,読者にはじっくりと腰を据えて読んでほしい.本書は総論と各論に分かれているが,全体を通して読むと,肝臓の病理・病態を画像がどう表しているか,同一疾患でも病理・病態は多彩であることを理解するのに絶好の書である.かつ臨床の場での座右の書としても重宝されるのは間違いない.
肝画像診断に大きな変革をもたらしたGd-EOB-DTPA造影MRIの原理というべきトランスポーターを理解できるのも嬉しい.詳述されているのにわかりやすいのは,的確な画像—病理像そして美しい概念図のおかげである.24年ぶりに改訂された第2版であるが,CT,MRIを中心とした画像診断に病理学・分子病理学の知識も入っており,次の24年間と言わず永久保存版としてお持ちになることを薦めたい.
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