増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅳ章 術後合併症とその管理
B 系統別術後合併症の管理ポイント
腎・尿路系
急性腎障害
高橋 直宏
1
,
蘇原 映誠
1
Naohiro TAKAHASHI
1
1東京医科歯科大学腎臓内科学
pp.298-299
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212723
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症状
●腎疾患の既往がない場合,術後急性腎障害の頻度は心臓手術で約20%,非心臓手術では約10%(大腸手術)〜約30%(肝移植術)と手術内容によって大きく異なる.いずれにせよ急性腎障害が術後合併症のなかでも高頻度なものであることは間違いない.
●急性腎障害は,術後検査での血清尿素窒素値・クレアチニン値の上昇または乏尿・無尿によって認識されることが多い.血液検査では高カリウム血症を呈することもある.また,術後炎症および心不全の併存により,高度の浮腫をきたすこともある.
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