増刊号 —消化器・一般外科—研修医・専攻医サバイバルブック—術者として経験すべき手技のすべて
序
田邉 稔
1
1東京医科歯科大学肝胆膵外科学分野
pp.1
発行日 2023年10月22日
Published Date 2023/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214280
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消化器外科や心臓血管・呼吸器外科をめざす場合,2年間の初期臨床研修をした後に外科専門研修プログラムに入る.多くの場合,地域の病院でまずは消化器・一般外科の手ほどきを受ける.高難度手術は助手としての体験にとどまるが,術者として体験すべき手技は,昔から手術の基本とされているアッペ,ヘモ,ヘルニア,ラパタンはもちろんのこと,乳腺腫瘤の生検,気管切開など多種多様である.さらに消化器外科専門研修プログラムに入れば,大腸癌や胃癌などの手術も担当するようになる.外科領域専攻医として体験する最初の数年間の手技は,その後の外科医としてのキャリアの基礎になる.
本書では,外科領域専攻医として最初の数年間に体験すべき処置や手術を網羅した.一般外科医の「基本手技・処置」としては,中心静脈ライン挿入,CVポート造設,胸・腹腔穿刺,気管切開などの病棟で役立つ技術や,消化管吻合法,腹腔鏡下・縫合結紮法,カメラオペレーターの心得などの手術の基本操作を網羅し,外科医としてのキャリアをスムーズに開始できるような内容にした.また,疾患・手術としては消化器ばかりでなく,乳腺疾患,下肢静脈瘤,熱傷など一般外科医として現場で扱う可能性が高い疾患についても基本的な部分を網羅した.執筆にあたっては,臨床現場で役立つように図表やビデオクリップを多くし,外科専攻医ばかりでなく研修医にもわかりやすいように,技術や情報をコンパクトにまとめるよう心掛けていただいた.
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