特集 鼎談
術中トラブルの予防と対策
小腸・大腸手術
腸のviabilityの判断
土屋 周二
1
,
小平 進
2
,
牧野 永城
3
1横浜市立大学第2外科
2慶応義塾大学外科
3元:聖路加国際病院外科
pp.1430-1433
発行日 1989年9月30日
Published Date 1989/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210496
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牧野(司会)今日のテーマは小腸・大腸手術の術中トラブルですが,まず第一にお伺いしたいのは腸のviabilityの判断,つまり腸管が生きているか死んでいるかということの判断です.特に絞扼性イレウスで嵌頓,捻転,腸間膜動静脈の血栓症などがある場合にみられる腸管の壊死状態,本当に死んでいるかどうか,切るべきかどうかの判断ですが,先生方は現実にどのように対処しておられますか.土屋先生,まず皮切りにお願いします.
土屋 常識的には従来いわれているように腸管の色調の変化や温度とか,腸間膜の動脈の拍動などによって判定すると思います.あやしいものでは温かい生食水をひたした布をかけ,ある程度時間をおいてもう1回みることも奨められています.客観的な判定法としては,ドップラーの血流計だとか,フルオレッセイン螢光色素などを注入して,そこに血流があるかないかをみるなどいろいろな方法が提唱されておりますので,そういうことを行うのも1つの方法かと思います.
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