Japanese
English
臨床報告
感染性心内膜炎の治療中に発見された上腸間膜動脈瘤の1治験例
A case report of superior mesenteric artery aneurysm secondary to infectious endocarditis
近江 三喜男
1
,
菊地 安徳
1
,
伊藤 淳
1
,
大内 将弘
1
,
三田 正紀
2
Ohmi Mikio
1
1国立仙台病院心臓血管外科
2塩釜市立病院内科
pp.1229-1233
発行日 1989年9月20日
Published Date 1989/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210452
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はじめに
上腸間膜動脈領域の動脈瘤の本邦における報告は近年増加している.われわれの集計では,腸管壁内微小動脈瘤,腹腔動脈と支配領域を共有する膵十二指腸動脈瘤および腹部手術や外傷に伴うものを除くと,本報告例を含め35例である.感染性心内膜炎(IE)に伴うものは有名であるが,動脈硬化,中膜異常や原因不明のものも多く,破裂による出血に対し緊急手術が行われるものも少なくない.血管病変の正確な診断には血管造影が必須であるが,最近では超音波やcomputedtomography(CT)などの診断法の著しい進歩に伴い,腹部血管病変の診断も非観血的に行われる機会が増している.われわれは,IEの治療中に発症し,超音波,CTおよび血管造影で診断された上腸間膜動脈瘤の1例を経験したので報告し,さらに本邦での報告例を集計し,診断法と手術術式について検討を行う.
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