一般外科医のための形成外科手技・9
局所皮弁と幾何学的皮弁
梁井 皎
1
Akira YANAI
1
1順天堂大学医学部形成外科
pp.1207-1214
発行日 1989年9月20日
Published Date 1989/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210448
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はじめに
軟部組織腫瘍切除後などに生じた皮膚欠損に対する修復法としては,まず,縫縮が可能な場合には縫縮術を行い,皮膚欠損が大きくて直接縫縮が困難な場合には,前回および前々回の本連載にあるように,各種の植皮手術が適応となる.
局所皮弁というのは,その名が示す通り,皮膚欠損部の周辺局所に作成される皮弁で,原理的には伸展皮弁,横転皮弁,回転皮弁などがあり,実際に使われる場合には,幾何学的に比較的複雑で慎重に作図を行う必要のあるものが多い.
皮膚欠損部を補うにあたって,局所皮弁による手術,局所皮弁以外の有茎皮弁による手術,遊離植皮による手術,マイクロサージャリーを利用した手術などのうちのいずれの方法を選択するかは,個々の症例によって臨機応変に決められるが,本稿では,一般外科医の日常手術の中で役立つであろうと思われる局所皮弁および幾何学的皮弁について,その概要を述べ,代表的な症例を供覧する.
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