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特集 手術と輸血—最近のトピックス
血液製剤の種類—製法,特性,用途
Blood components; preparation, characteristic and clinical use
坂本 久浩
1
Hisahiro SAKAMOTO
1
1産業医科大学病院輸血部
pp.305-319
発行日 1988年3月20日
Published Date 1988/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209941
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現在の輸血療法は従来の溶血,発熱,蕁麻疹等の同種抗原抗体反応によるものの他に,非A非B型肝炎ウイルス,ATLA, AIDS, CMV等の血液を媒介とするウイルス性感染症の増加,新鮮血による致命的なGVHRの発生等,極めて副作用,合併症の多い危険な治療法であることが明らかとなって来ている.近年,血液製剤は成分輸血の推進によりほとんどが赤血球,血小板,血漿及び血漿分画製剤にそれぞれ分離されており,輸血効率と血液の有効利用に関しては優れているが,成分製剤の組み合わせによる輸血単位数の増加や1人の感染血液から2〜3人の患者へウイルスを移入することになり,輸血後感染症の防止には極めて不利である.輸血の適応を厳密に考慮して不必要な輸血を控え,必要な時には全血を積極的に利用すると共に,手術に当たっては自己血輸血の利用を考慮し,輸血の安全性を向上させることが現在最も必要である.
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