Japanese
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特集 胃癌—最近の話題
残胃癌の病態と治療
Clinicopathologic features and treatment of carcinoma of the stomach following partial gastrectomy
島津 久明
1
,
小堀 鷗一郎
1
,
森岡 恭彦
1
Hisaaki SHIMAZU
1
,
Oichiro KOBORI
1
,
Yasuhiko MORIOKA
1
1東京大学医学部第1外科
pp.1571-1574
発行日 1984年11月20日
Published Date 1984/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208860
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はじめに
残胃癌に関するterminologyはなお十分に統一されていないが,著者らは従来より何らかの胃切除後の残胃に発生した癌をすべて残胃癌と解釈し,これを初回手術の対象が胃・十二指腸潰瘍を中心とする良性疾患であつた場合の残胃初発癌と胃癌の場合の残胃再発癌の2つに大別して検討を加えてきた1,2).それぞれにおける癌発生にはさまざまな機序の関与が推測されるが,とくに前者は残胃が1つの前癌状態であるか否かをめぐつて重大なテーマを提供している.しかし,これらの問題に関する臨床的検討には,初回手術から残胃癌発生までの長い時間経過のために,初回手術時の所見の詳細な分析や的確なfollow upが困難なことが大きな障壁となり,とくに初回手術が他施設で行われている一部の症例では,その正確な分析がさらに困難になる.以上の状況を踏まえたうえで,標題の課題に関するこれまでの知見を自験例の成績を含めて要約し,併せて今後の問題点を明らかにしたい.
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