特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている
胃・十二指腸手術
胃全摘で食道がひつこんでしまつた 食道が縦に裂けてしまつた
前田 昭二
1
,
湯浅 鐐介
1
1前田外科病院外科
pp.766-767
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208666
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「良い手術をするためには良い手術野を作ること」が必要条件である事はいまさら言うまでもない事であるが,胃手術とて例外でなく手術範囲が食道にまで達する場合,手術野の良し悪しが手術そのものに多くの影響を及ぼす.手術創を数センチ追加することにより手術がより容易に進展する事は誰しもよく経験する事である.
胃悪性腫瘍,噴門部病変では上腹部正中切開を最大限にする必要がある.すなわち皮切を胸骨下端を越え上部まで加え,筋膜は縦隔を開かない範囲で十分切開し場合により剣状突起を切除する.開創器を適確にかける事により噴門部,食道下端の処理はよりやり易くなるはずである.
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