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特集 乳癌の縮小根治手術
大・小両胸筋温存術式の適応
私はこうしている;大胸筋横切後縫合法
Indication of modified radical mastectomy with preservation of both major minor pectoralis muscles:I do in this way; Surgical procedure which reserves pectoralis major muscle by suturing after the transection
高橋 勇
1
Isamu TAKAHASHI
1
1東京都立駒込病院外科
pp.915-923
発行日 1982年6月20日
Published Date 1982/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208054
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はじめに
すべての乳癌に対して,画一的な手術術式が,はたして妥当であるかどうかということについて,著者は,従来から深い関心を抱いていた.とくに近年のように,早い時期に乳腺の腫瘤に気付き,早期に乳癌の診断も可能になつてきた現状や,全身麻酔の十分な管理下で行う手術操作の容易さなどを考えれば,100年も前の術式をそのまますべてに行う必要があるであろうか.症例についても,近年はTNM分類による病期別の仕分けがなされていることからも,その進行度に応じた適切な術式が考慮さるべきであろう.進行癌であれば,時には定型乳切のみならず,拡大乳切が選ばれてもよいであろうし,一方,非浸潤性の乳癌であれば,定型乳切は過大であり,単乳切や時には乳腺切除のみでもよいと考えられる症例も存在する.従つて,比較的早期の乳癌には,この中間的な術式の選択があり得る.これがすなわち非定型乳切であり,縮小手術であると思われる.
このような観点から,著者らは,乳癌の病期別に手術術式を選択することに決めて実施しているが,このうち,とくに著者が縮小乳癌根治手術として行つている,大胸筋を横切開大し,小胸筋はそのまま保存してリンパ節を郭清した後,再び大胸筋を縫合して保存する方法,すなわち,大胸筋横切後縫合法による大小両胸筋保存乳癌根治手術の術式について詳述する.
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