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特集 大腸癌根治手術の再検討—ポリペクトミーから拡大郭清まで
ポリペクトミーの適応と限界
follow up成績の立場より
Indication and limitation of colonic polypectomy
武藤 徹一郎
1
,
上谷 潤二郎
1
,
沢田 俊夫
1
,
草間 悟
1
,
池永 達雄
2
,
山城 守也
3
,
日野 恭徳
3
,
山口 真司
4
Tetsuichiro MUTOH
1
1東京大学医学部第1外科
2虎の門病院外科
3東京都養育院附属病院外科
4群馬中央総合病院外科
pp.977-982
発行日 1980年7月20日
Published Date 1980/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207469
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はじめに
内視鏡的ポリペクトミーという新しい技術の登場によつて,従来直腸病変にのみ限られていたポリペクトミーによる大腸癌の治療が,大腸全域にまで拡げられるに至つた.粘膜内に止るm癌がポリペクトミーのみによつて根治できることは,わが国でもよく理解されてover-surgeryは行なわれなくなつたが,sm癌に対してポリペクトミーでどの程度の根治性が望めるのかという問いに対しては,未だ理論的にも経験的にも納得のいく解答を見つけ出すことが難しい.ポリペクトミーを日常行なう際の最大の問題は,sm癌に遭遇した時に生じる.腸切除を追加するか,このまま経過を観察するかという選択を要求されるからである.癌が粘膜下に浸潤したときから,転移の危険性が生じる.いかなる状況のときにその危険性がより高いかのを正確に判断することができれば,無駄な開腹術を行なう必要はなくなるであろう.
本稿では,ポリペクトミー症例中のsm癌の経過観察例および手術例,ならびにSt.Mark's病院におけるsm癌の局所切除例の経過観察の成績をもとに,転移を起こすrisk factorについて考察してみたい.
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