特集 これだけは知っておきたい手術の適応とタイミング—注意したい疾患45
肝血管腫
葛西 洋一
1
1北海道大学医学部第1外科
pp.897-901
発行日 1979年6月20日
Published Date 1979/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207199
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■なぜ内科治療とのControversyになるか
肝血管腫は肝の良性腫瘍のなかでは,もつとも一般的にみられる中胚葉起源の腫瘍であるが,組織学的構造の差異によつて,今日では,海綿状血管腫cavernous hemangioma,血管内皮腫he—mangioentlotheliomaおよび毛細管性血管腫ca—pillary hemangiomaなどに分類5)される.肝にもつともふつうにみられるのは海綿状血管腫であるが,新生児,乳児では血管内皮腫が多いのが特長である.
本症は元来が良性疾患であり,また放射線に感受性がたかく,切除不能な肝血管腫も放射線療法によつて1/6に縮小させることができるというRay8)の報告以来,外科的治療に疑問をもたれる面もある.
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