Japanese
English
特集 Elemental Diet
消化器外科におけるED
Studies on elemental diet in view of its metabolic evaluation and its application to gastroenterological surgical fields
大柳 治正
1
,
浜野 武史
1
,
関田 幹雄
1
,
光野 孝雄
1
Harumasa OHYANAGI
1
1神戸大学医学部第一外科
pp.471-478
発行日 1979年4月20日
Published Date 1979/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207141
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はじめに
外科領域の術前術後の管理において,栄養状態の保持,改善は中心命題の一つである.最近の高カロリー輸液(以下,TPN)の発達はこの点に画期的な成果を挙げた.しかし,TPN施行にもとづく合併症,特に敗血症など致命的なものの発生も決して皆無とはいえず1-4),またその管理も繁雑である.
1957年にGreensteinやWinitzらの一派5)によりwater soluble,chemically defined dietとして初めて報告されたelemental diet(成分栄養食)は純粋のL-アミノ酸6)と糖質を主体とした完全な合成食7,8)であり,その使用法はTPNに比較して,より生理的でかつ副作用に関しても致命的なものの発生はほとんどなく7,9-12),簡便に扱える.更に,elemental dietは消化を必要とせず13),また消化管に対する刺激性も少ないことから,最近ではenteral hyperalimentation11)として経腸栄養法を再認識させ,漸次TPNと同様の地位を占めつつあるに12,14-18).しかし,elemental dietをはじめとする経腸栄養についても,下痢などの副作用19)とも関連して,その投与部位や投与方法20,21),またその利用や代謝に及ぼす影響などにも未だ解明されていない点も多く残されているのが現状である.
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