Japanese
English
臨床研究
血管造影より見た脾腫を伴う疾患—いわゆるBanti症候群と多発性脾動脈瘤について
Angiographic studies of splenomegaly, in relation to so-called Banti's disease and splenic aneurysm
吉田 静雄
1
,
小澤 正澄
1
,
小林 博徳
1
,
大田 治幸
1
,
伊藤 篤
1
,
前川 利幸
2
Shizuo YOSHIDA
1
1大阪労災病院外科
2大阪労災病院放射線科
pp.1033-1040
発行日 1978年7月20日
Published Date 1978/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206991
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はじめに
従来,脾腫(Splenomegaly)を伴う疾患の多くは門脈圧亢進症を伴っており,肝硬変によるうつ血性の脾腫とも関連して,いわゆるBanti症候群は門脈系を中心として論じられる傾向にあつた.しかしSeldinger法による動脈系の造影が普及するにつれて,門脈系のみならず動脈系の変化も著しいことが次第に見出されるようになつた6,12,17,18,22,25).
著者らは過去数年来脾腫を伴う,または門脈圧亢進症を伴う疾患患者の血管造影を分析し,同時にその病理組織所見とも比較検討してきた.対象とした症例は41例で,全例が脾腫を伴う疾患患者である(表1).方法はSeldinger法により選択的腹部血管造影を施行し,手術または剖検にて組織学的検索を行なつた.
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