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特集 上部消化管大量出血
上部消化管大量出血の手術をめぐる問題点—ストレス潰瘍
Surgical management of bleeding stress ulcer
島津 久明
1
Hisaaki SHIMAZU
1
1東京大学医学部第1外科
pp.993-997
発行日 1977年8月20日
Published Date 1977/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206788
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はじめに
急性の大量出血を起こす上部消化管の原因疾患には様々なものが含まれるが,そのなかでストレス潰瘍は治療上きわめて厄介なものの1つで,保存的治療あるいは外科的治療のいずれによつてもその成績が一般に甚だ不良であることが知られている.この原因には,これらの症例における潰瘍発生の背景に多くの重篤な全身的要因が存在し,またこの場合の潰瘍病変が多彩な発生様式をとることが大きく関与している.
本稿の主題はこれらの症例に対する手術適応と手術時期の問題であり,複雑な病態生理をもつストレス潰瘍について,これらの点を客観的に明快に論ずることは容易ではないが,これまでに当教室で経験した症例と文献上の知見を参照して著者の見解を述べることにしたい.なおストレス潰瘍に関しては,従来より多数の臨床的あるいは実験的研究の報告や論説があるが,ここでも一応その臨床的事項を概説し,しかるのちに主題の問題について述べることにする.
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