Japanese
English
臨床報告
若年者に発生した巨人膝窩動脈瘤の1治験例
Giant popliteal aneurysm in young man:a case report
石丸 新
1
,
松延 正之
1
,
本郷 勉
1
,
古川 欽一
1
,
仲本 嘉見
2
Shin ISHIMARU
1
1東京医科大学外科
2沖縄日赤病院外科
pp.925-929
発行日 1975年7月20日
Published Date 1975/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206298
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
膝窩動脈瘤は下肢動脈瘤の中で大腿動脈瘤に次いで多く,比較的高齢者にみられ,梅毒および動脈硬化がその成因の大半を占めている.近年血管外科の進歩により,本疾患に対する血行再建術を中心とした積極的な治療が行なわれるようになつてきたが,わが国における報告は少なく,1939年より1973年までの35年間に報告された膝窩動脈瘤は42例であり,このうち血行再建術施行例は22例となつている,教室の末梢動脈瘤の症例は21例あるが,膝窩動脈瘤はわずか1例と頻度は低い.われわれは最近,比較的若年者(24歳)に発生した非特異性炎症による巨大な(15×10×10cm)左膝窩動脈瘤に対し,動脈瘤切除,健側大伏在静脈移植による血行再建術を行ない,良好な結果を得たので報告すると共に過去35年間(1939〜1973年)の本邦における膝窩動脈瘤報告例につき文献的考察を行なつた.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.