Japanese
English
臨床報告
乳幼児尾仙骨部奇形腫について
Sacrococcygeal teratomas in infants and children
小暮 公孝
1
,
都築 靖
1
,
内田 好司
2
,
清水 哲也
3
,
阪上 昌三郎
3
,
松山 四郎
3
Kimitaka KOGURE
1
,
Kouji UCHIDA
2
,
Tetsuya SHIMIZU
3
1群馬大学医学部第1外科
2利根中央病院外科
3群馬県立癌センター東毛病院外科
pp.1353-1357
発行日 1974年11月20日
Published Date 1974/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206147
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はじめに
尾仙骨部奇形腫は比較的まれな腫瘍であるが,その特異な部位と異様な外観により注目され,紀元前2,000年の昔から記載されている.欧米ではLisco2)をはじめGrossら1),HickeyとLayton3),DonnellanとSw-enson4)などのすぐれた論文があり,本邦でも若林ら5)が1962年までの本邦報告例110例を集計している.本腫瘍には組織学的に3胚葉成分を完備した成熟型奇形腫のみならず,広く奇形腫群に属する様々な組織像を示す悪性腫瘍が含まれ6),発生部位も尾仙骨後下方の典型的部位の他に,外部から見えない仙骨前のものが含まれている.本腫瘍は臨床的にも,腫瘍学的にも,さらに手術手技の上からも独特な特徴を有する興味深い腫瘍である.
われわれは今までに3例のそれぞれ特徴ある臨床像と経過を示した尾仙骨部奇形腫を経験し,その治療上2,3の問題を感じたので,文献的考察を加えて報告する.
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