カラーグラフ 臨床病理シリーズ・11
胃疾患の肉眼診断
Ⅰ.早期胃癌の内眼形態とその鑑別—3.IIbおよびIIc+IIa型早期癌
佐野 量造
1
1国立がんセンター病理部
pp.1638-1639
発行日 1972年12月20日
Published Date 1972/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205712
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1.IIb型早期癌(症例12,13,14,15). IIb型早期癌は隆起もなく陥凹もしない平坦な癌である.平坦な癌を肉眼的に診断できるのはその部の粘膜が変色したり粘膜面のアレヤの性状が周囲と著しく異つている場合でなければ知ることはできない.現在IIbとして報告されている大部分の早期癌はIIaまたはIIcの癌で手術され,たまたま組織検索の結果,偶然に見出された例で術前にIIbとして診断され手術された例はほとんどない.
IIb型早期癌は大別すると①全く平坦なもの(純粋IIbとも称されている),②IIa等の隆起癌に伴つているもの,③潰瘍またはIIcに伴つているもので②,③は随伴IIbともいわれる.
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