Japanese
English
特集 早期癌の外科治療
早期小児癌について
Early stage malignant tumors in infancy
石田 正統
1
,
斉藤 純夫
1
,
土田 嘉昭
2
,
牧野 駿一
2
Masanobu ISHIDA
1
1東京大学医学部第2外科
2東京大学医学部小児外科
pp.67-74
発行日 1972年1月20日
Published Date 1972/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205523
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はじめに
早期癌の外科治療という題名の中でとくに,小児ガンについて述べよというご指定であるが,筆者は一体何を取り上げたらその責を果せるのか,現段階ではむしろお断りするのが将来に混乱を残さないで済むのではないかとさえ考えたが,一面,たしかに小児悪性腫瘍の中には手術のみで15年以上も生存し完治したと思われるものもある事実から見て早期癌ということばの意味に沿ったものがあると考え,筆者の経験例を分析して記述し,その責の一端を果たすことにする.
かつて早期胃癌という日本語の発展過程において,"早期胃癌というのは切ったら治る胃癌という意味でなければならない"といわれた1).このことは早期胃癌が表在性胃癌と変遷してもその願望するところは同じであろう.したがつてこの時点の考え方に準じて,切つたら治つた小児ガンというものを多角的に分析して,こういうものは切れば100%近く治つたということを記述することによつて将来の分析の参老になることを念じつつ諸家のご批判を仰ぐ次第である.
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