外国文献
CL−1848C,他
pp.1909
発行日 1970年12月20日
Published Date 1970/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205276
- 有料閲覧
- 文献概要
新しい麻酔薬として登場し臨床的に安全なこと,有効なことがAMA第119回総会麻酔学会でCalveston大学Wilson(1970)によつて報告された.除痛作用が著明な点は他の麻酔薬を超えている.学生13例に用い0.25〜0.75mg/kg,i. v. で疼痛試験,脳神経機能,深部反射,意識などをしらべ全くsatisfactory,副反応は1例に興奮がみられたのみであるという.麻酔間,夢をみるそうだが恐しいものでない.Sweet(JAMA 210:1375,1969)はketamine-HClより恐しい夢をみるといつているが,それは青年でhallucinogenic物質を受けていた上に実験動物にされているという観念があつたためか.Wilsonによると麻酔48-72h後,心理学的所見は一様に麻酔前と全く同じに回復し,人格上の変化もない(専門家の診査),EEGは睡眠と覚醒とで明らかに正常所見.しかし1-5時間constant,alternating nystagmus(diplopia)があり,かるいメマイが起こることもある.本剤とKetamineとは化学的に異なるが麻酔作用は全く似ている.FDAはketamineを許可したがpencyclamine剤は当分は人体に用いられないだろう.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.