Japanese
English
特集 全身状態とSurgical Risk
出血性疾患(素因)とSurgical Risk
Surgical risk in the hemorrhagic diathesis
別府 俊男
1
Toshio BEPPU
1
1東京女子医科大学脳神経外科
pp.1659-1667
発行日 1969年12月20日
Published Date 1969/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204997
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はじめに
手術侵襲は人為的に何らかの血管損傷を加えることを意味し,これに伴って出血が起る.外科医は経験的に小血管,毛細血管よりの出血は一定時間内に自然に止血し得ることを知つており,特別の顧慮を払わない.
この自然の止血が進行するための血液凝固機序に一旦破綻が生ずると,出血局所に対してどのように処置しても止血出来ず,難渋することがある.生体において血液凝固機序の破綻が起つたものは出血性素因と呼ばれ,往々出血により術中,術後,重大な障害により重篤となり,時に死亡することもあり得る.このような場合,われわれの対処し得る手段は案外微力なのである.
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