Japanese
English
特集 出血の問題点
出血と輸血
Bleeding and blood-transfusion
林 久恵
1
,
川田 高俊
1
Hisae HAYASHI
1
1東京女子医科大外科
pp.201-206
発行日 1968年2月20日
Published Date 1968/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204516
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
出血による生体の循環血液量の不足には輸血が最良の治療である.外科手術の場合は出血量は正確に測定することが可能であるので,その出血量にあわせて,これに相当する量の輸血を行なえばよいので,輸血量の決定は容易である.しかし,外傷や不時の出血の場合は,正確には体内の循環血液量を測定し,それによつて出血量を推定し,輸血量を決定する必要があるが,急の場合には簡単に呼吸数,脈拍数,血圧,血液のHb,Ht値の測定により,これを基準として輸血を行なわなければならない.また輸血を行なう場合,種々の検査や手続を経なければならないので,手軽には輸液を用いた方が便利であるが,出血後,全血量の回復することのできるのは主として血漿によってなされ,赤血球は急に補充されないので,人工赤血球がない限り輸液使用には限度がある.これらの量からみた,輸血,輸液量の適応や血液製剤,代用血漿の種類,適応ならびに体外循環時の血液の使用検討,輸血の副作用につき私共の経験をもととして述べる.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.