Japanese
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特集 肝腫瘍外科の課題
小児の肝腫瘍
Tumors of the liver in childhood
葛西 森夫
1
,
渡辺 至
1
Morio KASAI
1
,
Itaru WATANABE
1
1東北大学医学部第二外科
pp.1569-1573
発行日 1967年11月20日
Published Date 1967/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204456
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Ⅰ.小児の肝腫瘍
乳幼児,学童を含めて15歳以下の小児の肝には,良性・悪性,上皮性・間葉性,種々の腫瘍が原発し得るが,そのうち最も多く,またその大部分を占めるものは肝細胞癌である.本邦では成人の肝癌が多いことは周知のことであるが,小児の肝癌も多く,神経芽腫,ウイルス腫に次いで,小児腫瘍の中で重要な位置を占めている1)2).小児の肝に腫瘤が触れた時には,まづ第一に肝癌を想起しなければならない.
最近Ishakら3)は小児の肝細胞癌を組織学的に大きく二つの型に分けた.一つは比較的高齢児の男子に多く発症してくる肝細胞癌で,成人の肝癌と同様な組織像を呈し,hepatocarcinomaと呼ばれ悪性度も高い.他はいわゆる胎児性肝癌(肝細胞芽腫)hepatoblastomaであり,前者と異なり,比較的異型性に乏しい小型腫瘍細胞群からなり,切除予後も比較的良好の腫瘍で,満1歳をピークとして発症する.小児肝癌の60%以上が3歳以下に発症し,これらは成人肝癌に較べて切除予後が著しく良好である,と最近報告されてきているが1)4)5),その大部分はhepatoblastomaであると考えられる.
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