検査法
新生児・乳児外科における術前の検査と処置—とくに脱水を中心として
富永 幹洋
1
,
加部 吉男
1
,
片桐 克之
1
,
安藤 豪彦
1
,
大西 雄太郎
1
1日本大学医学部若林外科
pp.1549-1554
発行日 1966年11月20日
Published Date 1966/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204146
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
新生児・乳児の外科においても,種々の生化学的検査やレントゲン検査を必要とすることは言を俟たない.しかし各疾患ごとの各論的な検査を除外すると,新生児乳児の外科症例,とくに術前に最も共通の問題となることが多いのは,脱水の問題とショックの問題であろう.本稿では,各論的な検査ないし検査法そのものの検討は避けて,このような術前の脱水あるいはショックの判定と治療のために有用な検査と治療方針の概要を,日常の臨床の立場から略述してみたい.しかしはじめに注意しておきたいことは,新生児や乳児では僅かな測定成績や推論の誤差が結果的に大きな差を生むことになるので,測定成績のみに頼らず臨床的な綜合判定,患児の全身状態の判断ということが常に必要であり,検査成績にもとずいて種々の計算をやつてみても,多くの場合1つの方針樹立のための資料になりうるにすぎず,刻々と変化する状態によつて修正を加えてゆかねばならぬということである.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.