器械の使い方
心臓血管カテーテル(1)
藤本 淳
1
1大阪成人病センター
pp.401-403
発行日 1966年3月20日
Published Date 1966/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203932
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心臓血管カテーテルは体表面から容易に到達し得ない心臓腔や血管内の種々な部位の血行動態(血圧測定・色素稀釈法),血液性状(血液酸素・炭酸ガス),内腔の状態(造影法)を知るために開発されたものである.その他薬剤の選択的注入や輸液にまで利用されている.心臓血管内に挿入されるものであるから内膜を損傷しないこと,直接に血液に接触するから血液成分の損傷や異常をきたさないこと,所定の部位に誘導されるために通常レントゲン線不透過性の工夫が行なわれている.なお心臓カテーテルは単に挿入するものではなく種々の機能検査を行なうために利用されるものであるから,その目的に合致するように種々なtransducerがつけられているものもある.構造は基本として中空の管にレントゲン線不透過性物質が塗布してあるという簡単なものであるが,塗料の関係で国産品として推奨し得る製品はなく外国品に依存しなければならぬ.各メーカーでは特殊品の注文をうけつけることになつているがわが国では注文が不可能であるから,メーカーの標準品を正しく選択して採用しなければならぬ.そこで心臓血管カテーテルの種類を整理し,取扱の実際についてまとめておきたいと思う.なお心臓カテーテルの手技は習練を要するものであるが,記述は困難であるので各施設においてその技術を伝えることを忘れないでほしい.また初めて行なわれる人は習熟した人の技術を見て慾しいと思う.
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