Japanese
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実地医家のための診断シリーズ・5
一般外科手術に必要な肺機能検査
Pulmonary function tests in general Surgery
村林 彰
1
Akira MURABAYASHI
1
1関東逓信病院結核科心肺機能検査室
1Department of Tuberculosis Kanto-Teishin Hospital
pp.608-611
発行日 1965年5月20日
Published Date 1965/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203602
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肺手術における手術適応の限界を決定する手段として.肺機能検査法は欠くべからざるものであり,今日ほぼ完成されたものとなつている.肺以外の一般外科医手術に際しても,術後肺炎や無気肺などの肺合併症を起すことがあり,また麻薬や麻酔剤による呼吸抑制が思わぬ合併症をもたらすこともあり,ことに老人や肺疾患を有する患者等,術前から肺機能障害がある場合には起りがちである.では一般外科手術に際して,術前肺機能検査はどの程度の項目について行う必要があろうか.
従来術前機能検査として肺活量,呼吸停止時間等を習慣的に行い今日に至つている施設が多いと思うが,最近の肺機能の概念では,肺活量とは単に最大呼吸の容量を表わすもので,それだけでは換気機能を論じることはできないし,止息(呼吸停止)時間の意義については,意思による因子が大きいためほとんど問題にされなくなつている.最近の肺機能検査の進歩は著しく,非常に細分化されてきているので,まず判り易く整理し,次いで一般外科に必要なもつとも簡単な検査項目をとりだしてみたい.
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