Japanese
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特集 脳・頸部・胸部の症例
交感神経節ブロックに関する知見補遺,特に頭部外傷および脳卒中を中心として
A Supplementary Report on the Blockade of the Sympathetic Ganglion Especially on Head Injury and Apoplexy
天瀬 文蔵
1
Bunzo Amase
1
1天瀬外科医院
pp.1161-1166
発行日 1964年9月20日
Published Date 1964/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203411
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はじめに
交感神経節切除術が所期の効果をあげ得ず,ときにはかえつて病状を増悪させる場合があつて,手術適応の決定に困難をともなうことがあるが,術後生体に現われた諸変化を検討すれば,これのよい裏付けと思われるものをみることも少なくない.とくに末梢血行への悪影響と思われる術後変化については,すでにたびたび報告してきた(天瀬1)-4)).元来本法が治療方面に応用されるに至つた直接の動機は,それによつて起こる末梢血管の拡張あるいは血流の促進であるが,その作用機序は必ずしも常にかかる血行面のみにあるのではなく,特に脳血行に関しては,頸部交感神経節切除により脳血流量の増加を認めるもの(Schenkin5)),また不変を報告しているもの(Harmel6),Scheinberg7,Naffziger8),高山ら9))があるように,きわめて複雑,難解なものがあることは衆知の通りである.ところが本法術後の生体の諸変化,さらにこれと治療効果との関係を比較検討してみると,症例によつては遮断作用はかならずしも永続性を要せず,のみならず切除術等永久的遮断よりもプロカインによる一時的遮断に,臨床的意義上より多くの重要性を認める場合のあることを知り(天瀬10)),また脳卒中,脳外傷に対する臨床例(天瀬11))を以後さらに重ねるにおよんで,とくにますますその確信を深めるにいたつた.
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