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外科学会印象記—乳腺の部
藤森 正雄
1
1群大
pp.977
発行日 1964年7月20日
Published Date 1964/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203384
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乳腺に関する演題には,出血乳房に関するもの,乳腺腫瘍の酵素化学的研究,性染色質からみた乳腺腫瘍の内分泌相関についてのものが各1例ずつあつた.
門馬氏(金沢病院)は出血乳房58例をとりあつかつて,その原因となるのは乳癌,乳腺症,管内性乳頭腫が多く,管内乳頭腫は全例出血乳房を呈すると述べた.また出血乳房には腫瘤を明確に触知できないものがほぼ1/3あり、そのうちには乳癌が少数ながらあるから注意を要するとしている.天晶氏(慶大)はこれに出血乳房12例の追加報告を行ない,その原因をなすものは管内乳頭腫および乳癌であり,管内乳頭腫は出血乳房を呈することが多いこと,出血乳房では腫瘤を触知できなくとも管内乳腫の可能性が大きく,この際は腫瘍を剔出すればよいとしている.
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