特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅱ)
輸血
砂田 輝武
1
1岡山大学
pp.731-737
発行日 1962年8月20日
Published Date 1962/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202940
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昭和26年日本にはじめて血液銀行が設立されて以来10年を経過し,今日では全国津々浦々いたる所で輸血がきわめて容易に実施できるようになつた.その間輸血に関する知識は年々歳々増加し,副作用発生の頻度はその原因解明とともにすくなくなってきたが,なお未解決のまま残つているものもかなりある.輸血の副作用にはその程度が軽微で医師・看護婦にほとんど気付かれずに経過するものから,死に至るほど重篤なものまで種々あり,このうちには不可抗力と考えられるものもあるが多少の注意と予防を行えばその発生を防止できるものも多い.本誌では私の教室で経験した症例を中心に若干の考察を試みてみたい.
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