Japanese
English
綜説
上腹部大動脈縮窄症,とくに腎動脈狭窄による高血圧の外科的治療について
Coarctation of the Upper Abdominal Aorta:On the Surgical Treatment of Hypertension Due to Stenosis of the Renal Artery
木本 誠二
1
,
和田 達雄
1
,
野原 不二夫
1
,
石田 幸三
1
,
若林 明夫
1
,
髙田 真行
1
Seiji KIMOTO
1
,
Tatsuo WADA
1
,
Fujio NOHARA
1
,
Kōzō ISHIDA
1
,
Akio WAKABAYASHI
1
,
Masayuki TAKADA
1
1東京大学医学部木本外科教室
1Department of Surgery, Tokyo University School of Medicine
pp.993-1000
発行日 1961年12月20日
Published Date 1961/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202837
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序言
腹部大動脈縮窄症は,いわゆる異型の大動脈縮窄症と称せられるものに属する疾患であるが,欧米においてはこの異型の大動脈縮窄症が極めて稀なものとされているのに対し,本邦において比較的多く認められることは,すでに著者等が本誌上に発表したところである1).
腹部大動脈に縮窄症の存在することは,古くから知られており,すでに1847年にQuain氏2)が,ついで1861年にPower氏3)がこれを記載しているが,1960年のSenning氏4)等の集計によれば,総数29例で,このうち狭窄部位が腎動脈分枝部,もしくはそれより中枢側に存在するいわゆる上腹部大動脈縮窄症の範疇に属するものは16例にすぎない.
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