Japanese
English
綜説
膵臓皮下単独断裂に就いて
Subcutaneous Sole Divulsion of Pancreas
代田 明郞
1
,
国吉 真敏
1
,
高石 敏
2
1日本医科大学松倉外科教室
2日本医科大学解剖学教室
pp.11-16
発行日 1958年1月20日
Published Date 1958/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202107
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
膵臓の皮下損傷は該臓器の占拠する局所解剖学的位置の関係上これをみることは頗る稀れで,而も膵臓が損傷される場合は殆んど常に隣接諸臓器の損傷を伴うもので,独り膵臓のみが損傷を蒙ることは更に稀れである.
膵臓の皮下単独損傷に就いては1895年Wilks und Moxonがその1例を報告して以来1905年Garre1)は9例を,Heineke2)は1907年19例を蒐集し,1910年Guleke3)は自已の2例を加えて30例を報告し,爾来欧米に於いては比較的多く屡々報告されているが,本邦に於いては明治41年東大田代名誉教授4)の報告を噛矢とし,以来斎藤(良俊)5)(大正14年),江崎6)(昭3年),片山7)(昭4年),渡辺・津田8)(昭11年),松尾9)(昭11年),手代木10)(昭11年),都谷・大西11)(昭14年),中川12)(昭16年),杉村13)(昭16年),奥平14)(昭17年),河合15)(昭18年),対馬16)(昭26年),向畑・水島17)(昭29年),松倉教授18)(昭30年)等僅かに10数例を算するに過ぎない.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.