Japanese
English
症例
リグラ状幼裂頭條虫寄生による腹壁腫瘍
Abdominal-wall Tumor due to parasite by Ligura's taenia
內山 淳夫
1,2
Atsuo UCHIYAMA
1,2
1久留米大学医学部第一外科教室
2福岡県健康保険第一病院外科
1Department of the Ist Surgical Clinic, Kurume University, School of Medicine
pp.139-142
発行日 1957年2月20日
Published Date 1957/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201938
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緒言
1881年Scheubeが京都に於て28歳の馬丁の尿道口より排泄された乳白色帯状の虫体を発見報告し,その翌年Mansonが支那人の剖検に際して同様の虫体を検出してCobbold10)に鑑定を依頼した所,これをリグラに属する一条虫であるとしてLigula Mansoniと命名した.2)3)それ以来多くの業績があるが,本症は東洋殊に日本,支那,朝鮮に多くて欧米には少いとされている.我が国では京阪地方に頻発し,その他,九州,中国地方にも見られる.この条虫は本来犬,猫,狐等には普通の寄生虫であるが,人体に見られるものはLigula Mansoniの幼虫であつて従来,マンソン弧虫Sparganum Mansoniとして知られている.そのためその名称についても区々であり,マンソン氏孤虫,或はリグラ状幼裂頭条虫と記載されたものもあつて一定していない.
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