Japanese
English
特集 偶發症との救急處置
胸部外傷
The comp lication of the thoracic injury.
幕內 精一
1
Seiichi MAKUUCHI
1
1日本赤十字社中央病院 第一外科
1Japan Red Cross Central Hospital
pp.839-846
発行日 1955年11月20日
Published Date 1955/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201711
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1.序言
胸部の外傷に際して,臨床上先ず注意を要するものは,所謂ショックである.此の外傷性ショックに対して,その発生,治療,特に応急処置に就ては,医学シンポジウム第一輯「急性危険症の最新処置(上)」に都築院長によつて詳しく述べられているので省略することにする.然し胸部外傷の治療に際し先ず念頭においておかなくてはならない事は,多くの場合之等の患者がショック準備状態か或いはショックに陥つている事であり,併もショックは予防的処置は容易であるが,一旦ショックに陥ると其の治療は困難であり,時には生命を奪うに到る事である.
脳部外傷の処置も従前に比して最近は著しく進歩し,とくに近時胸部外科学の進歩に伴い良好な治療成績を挙げている.このことは朝鮮事変の米軍衛生部の報告にも覗われる.胸部外傷は戦傷外科に最も多く,亦近時交通量の激増に伴う路上災害にも漸増の傾向を示している.
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