Japanese
English
綜説
乳腺腫瘍の内分泌学的研究
Endocrinologic studies on the mamma tumors
增田 強三
1
,
西谷 奎吾
1
,
伊勢田 幸彥
1
Kyozo MASUDA
1
1京都大学医学部外科学教室第二講座
1The second Surgical Department of Kyoto University
pp.1-8
発行日 1955年1月20日
Published Date 1955/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201555
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はしがき
正常な乳腺が性ホルモンの影響をうけている事は青年期,或は妊娠時,更には月経閉止後の乳腺の変化をみても明らかであつて,これらの変化が脳下垂体は卵巣,副腎等によつて調節されていると云う意見は今日,略々確定的であると考えられる.Whitehouse1),Taylor2)等は健康人の月経周期の間に於ても乳腺に周期的な組織学的変化のおこる事を報告している.したがつて乳腺の病的状態,特に乳腺腫瘍の際にも,これら性ホルモンが重要な役割を演じているであろう事は容易に想像されるところである.
1889年Schinzinger3)は乳癌に対して卵巣剔除が有効であろうと示唆し,Beatson4),Lett5)等が乳癌の治療に卵巣剔除を行つて以来多数の報告があり或程の効果が確認されている点から考えても卵巣ホルモンと乳腺腫瘍との関係が浅からぬ事は疑問の余地がない.
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