Japanese
English
綜説
大腸運動と回盲部腸重積
Movements of the colon and ileocecal intussusception
植草 実
1
,
岡田 三郞
1
,
遠藤 博
1
,
林 亨
1
UEKUSA
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
1Department of Surgery, Keio University, School of Medicine
pp.849-856
発行日 1954年12月20日
Published Date 1954/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201545
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回盲部腸重積の成因に就ては早くから興味を持たれているが素因,誘因に就てはとも角,その発生機序に関しては未だ殆ど不明である.腸重積の発生には今日でもNothnagelの痙攣説が広く行われているがこれを人の回盲部に当てはめるにはなお疑問があつてこの方面にはその後何等の新知見がない.その大きな理由はこの部分での実験的研究の困難性にあると思う.またそれが生体に起りうる条件で試みられねばならぬことも理由の一つである.
古くから腸重積がしばしば腸壁腫瘤を先端として発生することはよく知られたところで,しかもその殆どすべてが下行型であることから,この場合,重積が発生,進行するには腫瘤が腸内容として腸運動によって牽引され附着部腸壁がこれに伴うのによるのであろうと云うことが考えられる.
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