Japanese
English
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乳幼兒麻醉法に就いで
Anaesthesia of the Juvenile
森田 浩
1
Hiroshi MORITA
1
1國立水戸病院外科
1Surgery, The Mito National Hospital
pp.9-13
発行日 1952年1月20日
Published Date 1952/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200953
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緒者
乳幼兒に対する外科的侵襲に際し如何なる無痛法を可とするかの問題に関しては世人の関心極めて少く,乳幼児に対する腰椎麻痺の報告例は時に散見せられるが,未だ一般は広く用いられず,又その繰作目らが患兒に與える精神上の打撃も少くなく,遂には手術不可能に陷ることも屡々経驗せられる所である.斯くて吸入麻醉法が採用せられる如くであるが,本法も又完壁の無痛法ではなく,其の偶発的合併症は未だ全く廻避することは出来ない。更に頭部,顔面,口腔内,頸部,胸部の手術に際して繰作上非常に不便を感ずるので,是等の欠点を無くし,しかも完全な無痛状態を将来するためには如何にすれば良いかの問題に関しては撓まぬ研究が続けられて来た.さきに甲斐等によつて提案せられたバルビタール,パビナール併用に依る所謂「睡眠麻醉法』も実にこの理の下に考案せられた一新麻酔法であるが,その適量決定の困難,過配量の危惧,麻醉幅員の未知などの事実は本法の著明な声價にも係らず今尚ほ広く実施されない障壁となつている.茲に於て私は本法に改変を加え,麻醉配量表を作成してその簡易化を計り,優秀な成績を得たので「乳幼児麻醉法』として茲に推奨する次第である.
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