--------------------
髀臼底結核の1手術所見
山德 雅美
1
Masami YAMATOKU
1
1慈恵医大整形外科
1Surgical Dpartment Jikei University
pp.675-676
発行日 1954年9月20日
Published Date 1954/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201515
- 有料閲覧
- 文献概要
Vacchelliは1933年に股関節結核の416例を集めその中で30例が髄臼の結核であつたと云つている.從つてVacchelliの症例では,髀臼結核は7%を占めている理であるが,吾が教室の有泉は髀臼結核のみを61例集めて,その原発巣と骨破壌の進行方向との関係を述べている.氏によると髀臼蓋の結核37例に対し,髀臼底結核は24例であつた所から,髀臼結核は腸骨に多発するものであると云つている.何れにしても髀臼底結核は從来考えられていた程珍らしいものではないと思われるが,報告の大部分はレ線所見によつたもので,手術所見或いは剖檢例によつたものは,甚だ少ないものである.尤もFranz Königの時代は別として,治療が保存的療法に主眼が置かれる様になつてから,吾々が手術により実際に之を見る機会は甚だ稀になつていた.しかし最近化学療法の発達に伴い,観血的手術が多くなつて,再びこれらを手術的にみる機会が,次第に多くなつているが,私も最近髀臼底の結核を始めて見ましたので,此処に報告する次第であります.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.