Japanese
English
症例
興味ある膵臓嚢嚢腫の剔出治験例
An interesting case of Pancreascyst Exstirpation
赤沢 喜三郞
1
,
津田 一彥
2
Kisaburo AKASAWA
1
,
TUDA Kazuhiko
2
1順天堂大学医学部外科
2津田胃腸病院
1Surgical Department of Juntendo Medical College
pp.396-401
発行日 1954年6月20日
Published Date 1954/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201455
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膵臓嚢腫は病因的にも単純でなく,発育様式にも種々の型があり、診断上興味深いものである.その治療法も大部分の症例が仮性嚢腫であるため,その成因上癒着が強く剔出困難なため,姑息的に胃腸管等との吻合による内瘻法が行われている.従つて理想的手術法たる全剔出術を行い得た症例はBozeman(1882)が最初でその後の例数は極めて少い.吾々は最近膵臓嚢腫の診断のもとに約5ヵ月間に亘り局所所見並びにレ線像を観察して腫瘤の消長,位置の移動等を追求したが,手術により診断を確認し,幸い全剔出治癒せしめた1例を経験した.尚その剔出標本についても些か興昧ある特異な所見を認めたので少しく考按を加えて茲に報告する.
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