Japanese
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綜説
蝮咬症に対するセファランチン,カルチコールの併用療法の効果について
Cepharantin and corticol for veuom of viper
松尾 光一
1
,
岡田 穆
1
Koichi MATSUO
1
,
Boku OKADA
1
1国立療養所鈴鹿病院
1National Sanatarium Suzuka Hospital
pp.199-200
発行日 1954年4月20日
Published Date 1954/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201406
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- Abstract 文献概要
腹咬症は昔日は,100日病とか云われ,甚だ難治のものとされて居たが,近時ハイポ動注,ヤクリトン,蛇毒血清,重曹水動注等によりその効果が夫々の誌上に発表せられて居ますが,我々は一昨年より,腹咬症に接する機会を得,長谷川教授御発見のセファランチンの原植物,タマサキツツラフヂ,が毒蛇の咬傷に対し,漢方薬として利用されて居る所よりセファランチン單独にても効果があるものと考えられますが,カルチコール併用により,一層その効果を期待し得るとの想定のもとに両液混合局所注射を使用した所,少数例ではありますが,見るべき効果あり報告します.
以上表の如く,受傷後1時間以内のものであれば,2〜4日にて全治して居ます.勿訴蛇毒に対する個体の抵抗性の有無も考えられますが,10例の経験より確実に有効であると考えられます.1,2,6例の如きは,セファランチン10mg,カルチコール5cc混合局所注射翌日,腫脹もなく,軽度局所圧痛のみと云う驚くべき効果でした.
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